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【桜(さくら)】の間紹介

春、「桜」の間






部屋の名前の由来は文字通り、春には窓から庭の桜、
借景である金剛葛城国定公園の山系の山桜 … を終日楽しむことができるから …

冬には雪景色、春には春霞 …  そして新緑 …  季節で山の表情が変わるのもこの部屋からの眺望ならでは …



「桜」太鼓襖「桜」踏み込




まずは廊下から部屋の扉を開けたところ(左図)。
奥が控えの間。踏み込み左側は本の間への給仕口。
右側が手洗い、と洗面になっています。

手洗いは茶室で言う、太鼓襖(たいこぶすま)(右図)。




「桜」踏み込み絵コンテ




... ちなみに上の図は、
2004 年にこの 部屋の本間、踏み込み、手洗いを改装 したときに、私が書いて大工さんに渡した拙い絵コンテ …
造作改装の場合、口で伝えるより絵に描くほうがイメージは伝わり易いです。




【桜】控えの間です。

控えの間とは、訪問者が、その参上を襖越しに本間に居る主客に声をかけ、主客、訪問客ともに、まずは襖越しに居ずまいを糺し、襖を開けるまでのほんの短い間、両者呼吸を整えるワンクッションの役割をはたします。
初対面の場合はもちろん、「親しき仲にも礼 … 」の間合いをとる。無駄なようでありながら、じつは和室にとって重要な空間です。
私の母親である先代の女将は、「忙しくて台所(配膳場)で汗をかいていても、お客さんの前に出るとき(挨拶に行く時)は、ここ(控えの間)で気持ちを落ち着けて、呼吸をととのえるのやで ... 」とよく言っておりました。
この【桜控えの間】は、当館が昭和 10 年に堺大浜から移築された当時の原形のまま残されています。
春になれば、ここ控えの間からも、桜の眺めが見事です。


【桜】床の間の明かり窓。下地窓、ほか…

床脇窓      下地窓      「桜」の明かり

数寄屋とは、「透き」、「隙」、「空き」、「剥き」、「抄き」、「好き」、「数奇」 …
言葉でとても表現できるものではないのですが、無駄なようでいて、重要であったり、明らかに装飾であるのに決して華美ではなく、
徹底的に無駄な華やかさを削ぎ落としたシンプルな意匠であり、それらが、ある瞬間に、ふと心を和ませてくれる不思議な空間です。
数寄屋の和室では、そのような意匠がお部屋のところどころに仕掛けられます。
障子越しに透かして見える陽の光や、隣室から透して見える人工の光も、一日の時間の中でそれぞれ違う表情があることに気付いていただけるかどうか …

【桜】本間です。

床柱は、部屋の名の通り桜材。
四季を通じ、金剛、葛城山系の山々が見渡せます。
もちろん、桜の季節には一番人気のお部屋です。
和室はできるだけ無駄を排してゆきます。当館では簡素で清潔な空間を心がけています。
できれば窓の外の自然の眺めだけで過ごしていただきたいのですが、そういうわけにもまいりません。 TV や冷蔵庫の文明の利器はやはり必要 ...
ですから、そっと隠してしまいます。 お手洗いの入り口は茶室の太鼓襖 ... というふうに ...
木造旅館の楽しみは何といっても「木の温もり」と「情緒」にあるのですが、残念ながら鉄筋コンクリートで固めた部屋のような遮音性には及びません。

私達スタッフも充分気を配っておりますが、夜分の TV の音量など、お客様同士の旅のエチケットにもご配慮戴ければ幸いです。

ご予約時に、お部屋の好みなども、いろいろお問い合わせくださいませ。